エッグチェアはデンマークの建築家。アルネ・ヤコブセンのデザインした名作椅子です。この椅子、まさに卵をくりぬいたような形ですが、どうしてこんな形をしているかご存知ですか? ヤコブセンがデザインしたSASロイヤル・ホテルのロビーに置くために、周りに人がいたり、通ったりしても気にならないように、とデザインされたのです。すっぽり包まれる感じは、どこに置いても心地よくこもれるスぺースです。
Photo/Yasunori Shimomura
座ってみると、空間も切り取っているのが分かりますね。
これは私のスナップですが、ロビーの階段も家具と呼応するように美しいです。
エッグチェアに座った目線で切り取られた空間を眺める、、。螺旋階段も素敵ですね。ちなみに私は、ザ・プリンス パークタワー東京の客室から切り取られた東京タワーを眺めていると一緒に呼吸しているような近さを感じるのでとても好きな空間です。
客室からの光景ですと、また違った距離感になりそうですね。
例えば、FLライトのハイバックスタイルのダイニングチェアはダイニング空間をより親密にするために背を高くしています。
家具が「空間を切り取る」こともできる例ですね。
確かに、そうですよね。
日本は海外と違って、LDKとひとまとめにされた空間が多いでしょうから、そういう意味でも家具は重要な役割を果たしますね。
家具は家具。と切り分けない見方ができると、きっとおしゃれな家がもっと増えるんだろうなあ、と改めて思いました。
廣部剛司建築研究所/Takeshi Hirobe Architects
Akari Fukuda 福田 珠里
廣部剛司建築研究所/Takeshi Hirobe Architects
Akari Fukuda 福田 珠里