大社の家

島根県出雲市に建築した、南北に同じ立面を持つ切妻屋根の住宅です。 祖母と両親が住まう住宅に隣接する農地の一部を宅地に変更して住宅を建てたいという要望で、両親の住宅との距離、南面の接道、北に広がる出雲北山の眺望を勘案し、配置と平面計画の調整から設計を始めました。 配置としては南面に農地を残し、建物の西半分を母屋の縁と向かい合う位置、東半分は北側に出雲北山を望める位置とし、宅地を旗竿に切り取り建築の敷地を決定しています。 深く伸びる軒は、夏は厳しい日差しを遮り、冬は暖かい光を導きいれてくれると同時に、外部と内部の境界を曖昧にし、心理的にも室内に居ながらも大らかに自然と対峙できる状況をつくり出してくれます。 南北対象に開口部を設けて、明るく風通しの良い平屋を実現しました。 平面的に寝室や水廻りを回廊に挟んでおり、回遊性を持つこともこの住宅の特徴のひとつです。 庭と畑を両親と住みながら手を入れ育てています。