Yokohama N-house, Kanagawa
定年を迎えた施主が、高齢の母と老後を暮らすための
キッチン・LDのリノベーション。
元々アパレルデザイナーを生業としていた施主のリクエストは、「タイルをしつらえたキッチン」。
地元である横浜を想起させる様な深い瑠璃色のタイルに合わせたのは、
こっくりとしたダークブラウンの、レトロなシステムキッチン。
上部にディスプレイスペースを配したタモ材のカウンターが、キッチンとLDを緩やかにつなげる。
キッチンのサイドには造り付けのマガジンラックを配し、
老後に料理をゆっくりと愉しみたい、施主の希望に彩りを添える。
LDの天井は漆喰で調湿機能を高め、壁面はグレイッシュな塗装で落ち着きを演出した。
家具はこだわりのアンティークを選び抜き、照明も一つ一つを場のしつらえに合わせて厳選。
キッチン・LD以外のスペースとの関係も、柄と柄が対峙しながらも、調和のある印象にまとまった。
「○○スタイル」の一言では括ることの出来ない、
施主独自の審美眼が光る居心地の良い空間が生まれた。