自然
敷地の斜面の勾配に沿って緩やかに上っていくL棟の壮大なリビング。天井高は、最大7.9メートル。木の軸組あらわしの天井や、中庭の景色を取り込むダイナミックな開口は、迫力満点だ。「お施主様との最初の打ち合わせが、ハイアットリージェンシー箱根のロビーラウンジでした。いきなり『こういう空間が欲しい』と言われ、驚きました」と津野さん。住宅をホテル風建築にすると、「体育館のようになりかねない」。そこで、敷地の傾斜にそって段差を設け、各フロアにダイニング、ライブラリー、バーラウンジなどエリアの特性を持たせた。フロアごとの段差は60cm。そこに30cmの階段兼ベンチシートを設置し、クッションを配することで、各エリアを穏やかにつなげている。
敷地内の樹木は、極力伐採を避けた。なかでもいちばん立派だったケヤキをシンボルツリーと位置づけ、その木を囲むように、リビング(L)棟とベッドルーム(B)棟を、ガラス張りの渡り廊下でつないでいる。どんなHouzz?《ヤマノイエ》家族構成:夫婦、子供1人用途:別荘、仕事場、研修所、迎賓施設所在地:神奈川県足柄下郡工事種別:新築構造:木造一部RC造(地上一階地下一階)延床面積:947.66平方メートル設計期間:2012年7月〜2014年10月施工期間:2014年10月〜2016年4月設計監理:津野建築設計室構造デザイン:鈴木啓/ASA外構デザイン:田賀意匠事務所照明デザイン:コモレビデザインテキスタイルデザイン:安東陽子デザイン撮影:西川公朗
オーナーや宿泊客を驚かせ、想定以上の喜びを与えようというコンセプトが展開されている《ヤマノイエ》。推敲を重ねたアイデアと、それを具現化する設計・施工技術が融合し、「任せてよかった」とオーナーに言わしめた「やすらぎ」と「遊び心」に溢れた建築である。別荘の記事をもっと読むHouzzツアーをテーマ別に読むMy Houzz/日本/北米/中南米/ヨーロッパ/北欧/中東/アジア/オセアニア/新築/リノベーション/二世帯住宅コメント募集中いかがでしたか? ご感想をお聞かせください。
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